凡例

このページでは、楽器学資料館における所蔵楽器の登録方法についてまとめ、所蔵楽器データベースにおける情報の提示方法を示しています。
なお、下記文章は1996年刊行の当館の所蔵楽器目録を加筆・修正したものとなります。

はじめに

所蔵楽器データベースでは、国立音楽大学楽器学資料館の所蔵楽器を登録し、情報の精査が終了したものから一般に公開している。楽器は名称や説明文のみでは実態を把握することが困難であるので、登録に際しては実物写真を附した。
写真撮影に当たっては楽器を可能な限り演奏されている状態に近く置き、奏者を前面から見る構図とした。
また、楽器の大きさを示す為、白黒写真には全長60cmの物差しを添えた。

楽器の大きさを示す為に全長60cmの物指しを添えた

楽器に関する記載事項は必要最小限に止め、『Musical Instruments – A Comprehensive Dictionary』(Sibyl Marcuse編, 1975)及び『The New Grove Dictionary of Musical Instruments』(Stanley Sadie編, 1984)に記載されている名称を優先的に用いることにより、両書からの必要事項の検索を可能にした。

  1. Massophone 立体(Massa)
  2. Cupophone 空洞の立体(Cupa)
  3. Clavophone 棒(Clava)
  4. Tabulophone 板(Tabula)
  5. Chordophone 弦(Chorda)
  6. Membranophone 膜(Membrana)

また、当館では所蔵楽器について、楽器の名称や地域等の他、楽器の振動体の形状や起震現象(後述)での分類も行っている。データベースでは、これらの項目からも検索が可能である。

  1. 衝撃 Percussion
  2. 摩擦 Friction
  3. はじく Plucking
  4. 気流による起振 Air current
  5. 電気的起振 Electronic oscillation

なお、当館では破損している所蔵楽器に対して、修理(repair)、修復(restore)及び保存(conservation)の三方法の処置をとっている。

凡例

1.登録番号(REGISTERED NUMBER)

登録番号は楽器が収蔵された時点で附されるもので、2022年2月現在2590番迄が登録されている。このうち、一定の規格による量産品と見なされる楽器が併存している場合は一点のみを収録し、他は登録番号のみを併記した。動物が身につける音具、戯音具および擬音具は『The Collection of musical instruments 2』に収録した。

2.体系番号(SYSTEMATIC NUMBER)

体系番号は7桁で、各桁には以下に示す項目が該当する。

  • 第1桁 振動体の形状
  • 第2桁 振動体の材料
  • 第3桁 起振現象
  • 第4桁 起振方法
  • 第5桁 振動の転換
  • 第6桁 転換部の形状
  • 第7桁 転換部の材料

3.名称(NAME)

所蔵楽器データベースに登録された楽器の名称には、『Musical Instruments – A Comprehensive Dictionary』及び『The New Grove Dictionary of Musical Instruments』に記載されているものを優先的に用い、「通称[Marcuse]」「通称[Grove]」の項にも記した。

Napura[Marcuse] Nupur[Grove] MarcuseおよびGroveで各名称の索引可能
Trombita[Marcuse][Grove] MarcuseおよびGrove双方で索引可能
Ranasringa[Marcuse] Marcuseのみで索引可能
Zilli masa[Grove] Groveのみで索引可能

なお、上掲2書に見当たらない楽器に関しては慣用されている総称を用いた。

4.地域名称(REGIONAL NAME)

世界の諸民族が持つ楽器の名称はその語源に始まり、以後年代的、地域的な推移に従って変化しながら現在に至っており、この間のものを凡て集めると一つの楽器に附された名称が数十に達することも稀ではない。これに加えて諸民族の楽器名が口一マ字に置き換えられる過程で生じる聞き取りと表記の違いは無数と言ってよく、地域名称の凡てを網羅することは不可能である。
所蔵楽器データベースに登録した地域名称の例は、その楽器が属する地域の国公立博物館、資料館、研究機関等の出版物から、該当する楽器が実物写真または図版によって確認されたものに限られている。

5.地域表示(REGION)

地域表示は原則として日本語を用いているが、検索タブについては日英を併記している。
国名・地域名の中には、現在では使用されていない名称や地域区分も含まれている。(例:ソビエト連邦等)
楽器の製作年代や受入年代によって、年代がはっきりしているものについては楽器制作当時の名称も併用している。
なお詳細な地域が不明な楽器に関しては次の地域区分に従って表示した。

  • 東アジア(East Asia)
  • 東南アジア(Southeast Asia)
  • 南アジア(South Asia)
  • 西南アジア(Southwest Asia)
  • アフリカ(Africa)
  • 旧ソ連(Former U.S.S.R.)
  • ヨーロッパ(Europe)
  • 北米(North America)
  • 中南米(South America)
  • 太平洋諸島(Oceania)
  • 南極(Antarctic)

6.製作者(MAKER)

製作者に関しては個人名の他、工場名、会社名、取扱店等も記入した。

7.年代(DATE)

推定年代にはc.(circa)を附し、世紀の表示にはC.(Century)を用いた。また購入時に新品であった楽器は製作者が不明であっても購入年を製作年と見なした。

8.備考(NOTE)

音域 例、Soprano,Alto等
音名 「音名表参照」
構造 例、Unfretted,Historical construction等
複製品 特定の楽器が複製されているものについては元の楽器の製作者名と年代をMod.(Mode1)の表示と共に記載し、其の他についてはReproductionとのみ表示した。
修復 楽器が大幅に修復された場合には、修復者または修復が行われた機関名(例,K.C.M[国立音楽大学])を記入した。

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